心はどこで「決めている」のか:ニューロマーケティングとアイトラッキングが教えてくれること

スーパーの棚の前に立ったとき、私たちは何を頼りに商品を選んでいるのでしょうか。あるいは、SNSの広告にふと目を奪われた瞬間、そこにはどんな心の動きがあるのでしょうか。こうした日常の小さな選択の背後には、実は驚くほど複雑な意思決定のプロセスが隠れています。
それを科学の視点からひもとこうとするのが「ニューロマーケティング」という分野です。耳慣れない言葉かもしれませんが、これは神経科学とマーケティングを組み合わせ、私たちが何を「感じ」、どう「選ぶ」のかを解き明かそうとする試みです。
「感じること」から始まる意思決定
脳科学の研究によると、私たちの意思決定のほとんどは、無意識のうちに行われているといわれています。その割合は、なんと全体の95%にも及ぶのだとか。さらに、感情が失われると、人は物事をうまく決められなくなるという知見もあります。つまり、私たちは「考える」よりも先に「感じている」わけです。
たとえば、ある商品を「なんとなく」手に取った経験はありませんか? その“なんとなく”こそが、まさに無意識的な感情によるもの。ニューロマーケティングは、こうした直感的な選択にこそ、本当の購買動機が宿っていると考えるのです。
目は口ほどにモノを言う:アイトラッキングという視線の記録
では、その無意識をどうやって捉えるのでしょうか。そこで登場するのが「アイトラッキング」と呼ばれる技術です。これは、視線の動きを測定し、どこに注目しているのかを明らかにするもので、まるで“視線の地図”を描くようなものです。
実際に、Googleはこの技術を使って、ユーザーが検索結果ページのどこを見て、どこでページを離れるのかを綿密に分析しています。こうした情報は、検索順位や広告配置を最適化するために役立てられているのです。
ある意味、アイトラッキングは、人の目線を通して「思考の輪郭」をなぞる方法だともいえるでしょう。目は感情の鏡であり、関心の導線でもあります。私たちが何に心を引かれているのか、それを“見ているふり”ではなく、実際に“見ている場所”から探るのです。
可視化された視線が語らないこと
とはいえ、視線が向いたからといって、それだけで「魅力的だ」と判断するのは早計かもしれません。視線が留まる理由はさまざまで、興味があるからだけとは限らないのです。たとえば、不安や違和感、あるいは単なる混乱から目が離せないこともあるでしょう。
ヒートマップで「赤くなっている」からといって、そこが必ずしも好印象とは限らない。視線情報は、いわば“行動の足あと”にすぎず、その背後にある「なぜそこを見たのか」までは教えてくれません。だからこそ、アイトラッキングの結果は他の情報——購買データやアンケート、インタビューなどと組み合わせて初めて意味を持つのです。
視線は「入口」であって、「答え」ではない。そのことを忘れないことが、賢いマーケティングの第一歩になるのかもしれません。
日常の選択が映し出す、心の輪郭
こうして見てくると、ニューロマーケティングやアイトラッキングは、単に「物を売るための手法」ではなく、人間の心の動きそのものを理解するための道具だと言えるでしょう。
私たちは、頭で考える以上に、心で感じ、無意識のうちに選びとっています。その無意識の働きを知ることは、他者の心に近づくヒントにもなり、自分自身の行動を見つめ直すきっかけにもなるかもしれません。
日常の中でふとした選択をしたとき——そのとき自分は、何を見て、何を感じ、なぜそれを選んだのか。そんな問いを持つことから、日々の体験は少しだけ深く、豊かなものへと変わっていくように思われます。
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世界40ヵ国以上から累計23万人以上が受講する国際的スピーカー、トレーナー、元アルビズ大学准教授。
アメリカ、オレゴン州のルイス&クラーク大学で心理学で学士を取り、フロリダ州のアルビズ大学にて心理学の修士と臨床心理学、法廷特化の博士号を取得。2015年にオレゴン州の臨床心理学者としての国家治療免状を得る。過去にアメリカ心理学会、国際心理学会、アメリカ法廷心理学会など数多くの学会で研究を発表している。
日本帰国後は日々実践できる科学をテーマにニューロマーケティング(神経マーケティング)、教育学、経営学、統計学などを教え述べ23万人以上の講演会を開催。