売れるストーリーの作り方|行動経済学で感情を動かすマーケティング手法を徹底解説!

こんにちは、遠藤貴則です。「感情を動かせなければ、商品は売れない」──これは、私たちが日々のビジネスで身をもって感じる真実です。心理学や神経科学、行動経済学を融合することで、単なるストーリーだけではなく、科学的に“売れる構造”を設計できるようになります。
本記事では、次の内容について解説します。
- 行動経済学視点でのストーリー効果
- 脳が反応する“売れる物語”の6ステップ
- 失敗&成功事例から学ぶポイント
記事を読み終えたときには「自分のストーリーをどう設計するか」が明確になっているはずです。
1. 行動経済学的ストーリーマーケティングとは
1-1. 単なる物語以上の価値
マーケティング業界では「ストーリーテリング=売れる」と言われますが、行動経済学やニューロマーケティングの知見を融合することで、感情と行動を同時に引き出す『ストーリーマーケティング』が成立します。単に背景や歴史を語るだけでなく、
- 感情トリガー(不安、喜び、共感など)を意図的に配置
- 認知バイアス(プロスペクト理論、フレーミング効果など)を活用
- 行動心理(自己関連付け、ミラーリング効果など)を誘導
といった要素を取り込むことで、脳科学的に“買いたい”スイッチを押せるのが特徴です。
1-2. なぜストーリーが人の行動を左右するのか
人類の歴史を振り返ると、情報伝達はすべて「物語」を通じて行われてきました。縄文時代から祭りや神話、近代の民話や伝説に至るまで、ストーリーは生存・協力・学習に不可欠な文化的遺産です。
行動経済学の研究によれば、感情的に強く動かされたあと、論理的納得が行われる順序が、脳の意思決定プロセス。
- 扁桃体:不安・警戒の解除(安心感)
- 側坐核:報酬予測(期待感)
- 内側前頭前皮質:自己投影(自己関連付け)
- 前頭前野:論理的納得(価値認識)
- 帯状回・島皮質:行動トリガー(決断)
この流れこそが、ストーリーによって一気通貫されるとき、商品購入やブランド共感が劇的に高まるのです。
2. 売れるストーリー設計の6ステップ
実践編として、動画でも紹介された6つのステップを順番に解説します。記事執筆やLP、セールススクリプト作成時にそのままテンプレート化できます。
ステップ | 目的 | 実装ポイント |
---|---|---|
1. 問題提示 | 読者の“気づかない問題”を意識化 | 問題を深刻化し、不安を引き起こす |
2. 悪化予測 | 放置によるリスク・損失を具体化 | プロスペクト理論で損失回避を誘導 |
3. 自己関連付け | 「自分ごと化」し、当事者意識を醸成 | 「あなたが主人公」視点で語る |
4. 解決策導入 | 商品・サービスの役割・価値を設定 | ソリューションを明確・具体的に |
5. 成果提示 | 利用後の理想結果をイメージ化 | エビデンス(数値・事例)を示す |
6. 行動喚起(CTA) | 読者を具体的行動に誘導 | 明確な手順と期限感を訴求 |
2-1. ステップ1:問題提示
目的:
読者がまだ言語化できていない「モヤモヤ」「違和感」を表面化し、「これは自分の問題かも」と気づかせる段階です。最初に“悩みを言語化”してあげることで、続きを読む動機が生まれます。
実装例:
- 「毎朝◯◯に悩んでいませんか?」
- 「知らないうちに損をしているあなたへ」
2-2. ステップ2:悪化予測
目的:
「今すぐ行動すべき理由」を明示します。人は危機を感じないと動きません。行動しないとどうなるか?の未来を見せることで、現状維持バイアスを打ち破ります。
実装例:
- 「このまま放置すると、半年後には売上が30%減少します」
- 「失敗企業の90%は、初期段階で××を見逃しています」
2-3. ステップ3:自己関連付け
目的:
読者自身が「これは自分の話だ」と感じることで、情報が“他人事”から“自分ごと”に切り替わります。具体的なシチュエーションやエピソードで、感情を引き寄せます。
実装例:
- 「あなたにも当てはまるかもしれない、◯◯なシーン」
- 「実際に手を動かしてみたら、こんな変化が…」
2-4. ステップ4:解決策導入
目的:
読者が「希望」を持つ段階。商品・サービスの価値を単に紹介するのではなく、「この状況から脱出できる道がある」と示すことで、ポジティブな行動意欲を引き出します。
実装例:
- 「弊社の◯◯機能が、あなたの問題を瞬時に解決します」
- 「3分で導入できる××で、すぐに効果を実感」
2-5. ステップ5:成果提示
目的:
「本当に効果あるの?」という疑念を払拭するために、客観的な数値や事例、他者の声を示します。信頼性と納得感を高め、購入・申し込みのハードルを下げます。
実装例:
- 「導入企業の平均売上が2.5倍に増加」
(※内部リンク:事例紹介ページ) - 「顧客満足度95%を獲得した秘訣」
(※外部リンク例:TrustedReview)
2-6. ステップ6:行動喚起(CTA)
目的:
ここまで読み進めた読者が迷わず行動できるよう、明確でシンプルなアクションを提示します。特典や限定性を加えることで、即時の行動を促進します。
実装例:
- 「今すぐ無料で◯日間お試し」
- 「限定10名:先着特典はこちら」
3. 成功・失敗事例から学ぶポイント
3-1. 失敗例:ブランドが主人公になってしまうパターン
ソニーのPSP白モデルCMでは、「白は黒より優れている」という差別化ブランドを前面に押し出した結果、差別問題を招き炎上。問題視すべきは、顧客ではなく商品自体が主役になってしまった点です。
教訓:主人公はあくまで「読者/顧客」。商品はそのサポート役に徹しましょう。
3-2. 成功例:感動を呼ぶ【トヨタ自動車】CM
家族の思い出を重ねたストーリーで、トヨタの自動停止システムが“命を守る”重要機能として認識され、大きな共感と売上増を実現。ブランドイメージ構築と直接的な売上貢献を両立させた好例です。
ポイント:
- 感情移入しやすい家族ドラマ
- 商品機能がストーリーの結末に組み込まれている
- エビデンスとしての安全テスト結果を合わせて提示
4. まとめ:科学的ストーリーで売上をデザインする
行動経済学的ストーリーマーケティングは、
- 感情→期待→自己関連付け→論理納得→行動 の流れを
- 6つのステップで構造化し、
- 失敗・成功事例をもとに最適化する
ことで、再現性ある売上設計を実現します。
⇒関連記事:選ばれる理由は「物語」にある!行動経済学で学ぶストーリーマーケティング入門
⇒関連動画:感情を動かせなければ商品は売れない!行動経済学的ストーリーマーケティングを完全解説します!
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法廷臨床心理学博士・ニューロマーケティング(脳科学マーケティング)トレーナー
株式会社ビジネスサイエンスジャパン取締役。ビジネスサイエンストレーニングアカデミー学長。
1985年東京都文京区生まれ。神奈川県横浜市のサン・モール・インターナショナル・スクールの高校を卒業。
2006年米国オレゴン州ルイス&クラーク大学にて心理学専攻及び中国語を副専攻で大学卒業。
2008年米国フロリダ州アルビズ大学大学院にて心理学修士課程修了。
2013年同大学院臨床心理学博士号、法廷特化で卒業(博士論文Doctoral Project:Endo, T. K. (2012) Test Construction: Clinician’s Gay Male Competence Inventory. (Doctoral dissertation, Carlos Albizu University)。後、オレゴン州にて臨床心理学社の国家治療免状を獲得。マイアミ市警、FBI、CIAの調査支援を行った実績を持つ。
2017年には薬物依存人口を減らした功績を称えられ、2017年フロリダ州ジュピター市より表彰される(2017 Best of Jupiter Awards - Drug Abuse & Addiction Center)。現在は実践的ビジネスサイエンス、実践的心理学、脳科学的教育、ニューロマーケティングの普及、後進の育成に努める。著書に『売れるまでの時間-残り39秒 脳が断れない「無敵のセールスシステム」』(きずな出版)、共著に『仕事の教科書』(徳間書店)がある。