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起業家が知らないと損する!行動経済学的“顧客の選ばせ方”入門

起業家が知らないと損する!行動経済学的“顧客の選ばせ方”入門

はじめに:なぜ“いい商品”なのに選ばれないのか?

起業家や個人事業主の多くが悩むのは、「良い商品・サービスなのに売れない」という現象です。

実はそれ、商品の価値ではなく、“選ばせ方の構造”に問題がある可能性があります。

行動経済学では「人間は合理的に選んでいるようで、実は感情・環境・思い込みに強く影響されている」と考えます。つまり、“どう見せるか”や“どう選ばせるか”を設計するだけで売れ方は大きく変わるのです。

この記事では、遠藤貴則博士の知見をベースに、行動経済学的「選ばせ方」の基本原則と、実際のビジネスに落とし込む方法を解説します。

原則①:選択肢の出し方で印象は180度変わる

「プランA(月額3,000円)とプランB(月額5,000円)」を提示する場合、

これに「プランC(月額5,500円・特典あり)」を加えるだけで、Bが選ばれやすくなる現象──これは**おとり効果(デコイ効果)**と呼ばれます。

起業家の実践例:

  • 商品設計の際に“比較されやすい選択肢”を1つ用意する
  • 高価格商品を売りたいときは“あえて微妙な中価格商品”を用意

原則②:価格の“見せ方”で感じ方が変わる

「たった月額3,000円」と書くのと、「年間で36,000円」と書くのでは、まったく印象が違います。

これは**フレーミング効果(Framing Effect)**と呼ばれ、情報の提示の仕方で判断が変わる心理効果です。

起業家の実践例:

  • 「1日あたり◯◯円」など“分割した表現”を意識する
  • 不安な商品は「返金保証あり」で安心感を添える

原則③:選ばれるには「選びやすくする」ことが最優先

人は選択肢が多すぎると疲れて選べなくなります(ジャムの法則)。

だからこそ、「これを選べばいいんだ」と思える“1番人気”や“おすすめ”の明示が超重要です。

起業家の実践例:

  • 「人気No.1」「迷ったらこれ」などのラベルを活用
  • “3つの選択肢”で構成し、「真ん中」を選びたくなる心理を活用

原則④:社会的証明は「不安」を減らす最大の武器

行動経済学で言う**社会的証明(Social Proof)**とは、「他人が選んでいるから自分も安心」という心理バイアスのこと。

特に、購入前の不安が強い商品ほど“誰かの証言”が刺さります。

起業家の実践例:

  • 顧客の声(テキスト+写真)をできるだけ掲載
  • 〇人が購入・〇社導入済みなど、実績を明記

原則⑤:「損したくない」感情を動かす

人間は「得する」よりも「損したくない」と感じたときに強く行動します。これは損失回避バイアスと呼ばれます。

起業家の実践例:

  • 「今だけの特典」「このページからの申込限定」など“希少性”と“期限”をつける
  • あえて「今やらないと損」と思わせるコピーを使う(例:後悔したくない人へ)

遠藤貴則からの提言|売る技術は“思考”より“設計”に宿る

起業家に必要なのは“プレゼン力”より“構造設計力”。

人は思考で買うのではなく、“環境と感情”で決める。 だからこそ、売れる人は「感情と選択の設計」に強い──これが行動経済学が導く答えです。

まとめ:商品ではなく「選ばせ方」で売上は変わる

あなたの商品・サービスは“価値がない”のではなく、“選ばれにくいだけ”かもしれません。

まずは「選ばせ方」を見直してみましょう。

  • 選択肢の設計
  • 価格の見せ方
  • 社会的証明の活用
  • 感情スイッチの設計

これらを整えることで、同じ商品でも“選ばれる確率”は圧倒的に上がります。

顧客は「正しさ」ではなく、「選びやすさ」によって動く──これが、行動経済学的マーケティングの核心です。

執筆者
遠藤 貴則法廷臨床心理学博士 Takanori K. Endo

法廷臨床心理学博士・ニューロマーケティング(脳科学マーケティング)トレーナー
株式会社ビジネスサイエンスジャパン取締役。ビジネスサイエンストレーニングアカデミー学長。

1985年東京都文京区生まれ。神奈川県横浜市のサン・モール・インターナショナル・スクールの高校を卒業。
2006年米国オレゴン州ルイス&クラーク大学にて心理学専攻及び中国語を副専攻で大学卒業。
2008年米国フロリダ州アルビズ大学大学院にて心理学修士課程修了。
2013年同大学院臨床心理学博士号、法廷特化で卒業(博士論文Doctoral Project:Endo, T. K. (2012) Test Construction: Clinician’s Gay Male Competence Inventory. (Doctoral dissertation, Carlos Albizu University)。後、オレゴン州にて臨床心理学社の国家治療免状を獲得。マイアミ市警、FBI、CIAの調査支援を行った実績を持つ。
2017年には薬物依存人口を減らした功績を称えられ、2017年フロリダ州ジュピター市より表彰される(2017 Best of Jupiter Awards - Drug Abuse & Addiction Center)。現在は実践的ビジネスサイエンス、実践的心理学、脳科学的教育、ニューロマーケティングの普及、後進の育成に努める。著書に『売れるまでの時間-残り39秒 脳が断れない「無敵のセールスシステム」』(きずな出版)、共著に『仕事の教科書』(徳間書店)がある。

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