承認欲求が強まる現代社会〜SNS疲れを手放す心の整え方
朝起きてすぐ、スマホを手に取る。
昨夜投稿した写真に「いいね」がいくつ付いているか、確認せずにはいられない。そして、期待していたほど反応がないと、なんだか一日の始まりが重たくなってしまう……。
こんな経験、ありませんか?
フォロワー数が気になって仕方ない。誰かの投稿と自分を比べて落ち込む。SNSを見るたびに疲れるのに、やめられない。
実は、これはあなただけの問題ではありません。現代を生きる私たちに共通する心の動きであり、脳科学や行動心理学の視点から見れば、むしろ自然な反応なのです。
この記事では、現代社会で承認欲求が強まる理由を読み解きながら、あなたが心地よく生きるためのヒントをお届けします。
なぜ現代社会では承認欲求が強くなるのか
「自分は承認欲求が強すぎるのかもしれない」
そう悩んでいる人は少なくありません。でも、ちょっと待ってください。現代で承認欲求が増加している背景には、あなた個人の問題ではなく、社会全体の大きな変化があるのです。
SNSが普及したことで、私たちは24時間いつでも他人と比較できる環境に置かれるようになりました。友人の投稿、インフルエンサーの華やかな日常、知らない誰かの成功体験……。
スマホを開けば、そこには「自分より上」に見える誰かがいつも存在します。
昔なら、自分の居場所は家族や職場、地域コミュニティといった限られた範囲でした。その中で「自分は認められている」と感じられれば、それで十分だった。
でも今は違います。
見知らぬ誰かからの評価までもが数字として目に見える形で表示される。現代のSNSでは、「評価の可視化」が私たちの心を揺さぶり続けているのです。
脳は「いいね」をご褒美だと勘違いする
脳科学的に言えば、私たちの脳は「社会的な報酬」に強く反応するようにできています。
「いいね」やコメントがつくと、脳内ではドーパミンという快楽物質が分泌され、一時的な満足感を得られます。これは、美味しいものを食べたときや、好きな人に褒められたときと同じ反応です。
でも、この快感には落とし穴があります。
ドーパミンによる満足感は長続きしません。すぐに消えてしまう。だから、また次の「いいね」を求めてスマホを開いてしまう。これが現代におけるSNSの最大の罠です。
さらに厄介なのは、「いいね」がいつ、どれくらいつくかが予測できないこと。
ギャンブルで当たりが出るタイミングが読めないから、何度もレバーを引いてしまう。それと同じ心理が、SNSでも働いているのです。
あなたが「いいね」を気にしてしまうのは、意志が弱いからではありません。脳が正常に機能している証拠です。
そして、SNSというツールは、この脳の仕組みを巧みに利用して設計されています。だから、気になってしまうのは当たり前なのです。
若者が特に影響を受けやすい理由
特に若者にとって、現代は承認欲求が強まりやすい環境です。
思春期から青年期にかけては、自己肯定感が不安定になりやすい時期。「自分は何者なのか?」「自分には価値があるのか?」といった問いに、まだ明確な答えを持てていません。
そんなときにSNSという「評価が数字で見える場所」に触れると、どうなるか。
他人と比較して「自分はダメだ」と感じやすくなります。そして、その不安を埋めるためにさらに「いいね」を求めてしまう……。こうした悪循環に陥るのです。
でも、これはあなたが未熟だからではありません。脳の発達段階として、そうなりやすいだけなのです。

承認欲求が強まる社会的背景と心理的バイアス
現代人に共通する承認欲求の背景には、脳の仕組みだけでなく、社会構造の変化も大きく影響しています。
かつての日本社会では、地域コミュニティや家族のつながりが強く、そこに所属していること自体が「自分の居場所」となっていました。
でも、現代では核家族化や地域社会の希薄化が進み、人とのつながりが流動的になっています。
「自分は誰かに必要とされているのか?」
この不安が、承認欲求を強める大きな要因になっているのです。
比較という罠〜SNSが作り出す「劣等感」
人は、自分の状況を絶対的な基準ではなく、他人と比較して判断する傾向があります。
SNSでは、他人の「良い部分」だけが切り取られて表示されます。
誰かの旅行写真、おしゃれなカフェでのランチ、充実した仕事ぶり……。そうした投稿を見ていると、「自分の人生はつまらない」と感じてしまう。
これが「SNSに疲れる」という感覚の正体です。
でも、忘れてはいけません。SNSに投稿されているのは「見せたい部分」だけです。
その裏には、誰にでもある悩みや苦しみが隠れています。友人の華やかな投稿の裏で、その人も実は悩んでいるかもしれない。でも、その部分はSNSには出てこないのです。
比較すること自体が、幸福度を下げる原因になる。この事実を、まずは知っておいてください。
「今すぐ欲しい」という脳のクセ
もう一つ、承認欲求が強まる原因として「現在バイアス」があります。
これは、「今すぐ得られる小さな報酬」を、「将来得られる大きな報酬」よりも優先してしまう心理的なクセです。
SNSで「いいね」をもらえると、今すぐ気持ちよくなれます。
でも、その快感は一時的。本当に大切なのは、長期的な人間関係や自己成長のはずなのに、私たちはつい目の前の承認に飛びついてしまうのです。
これは、ダイエット中なのに目の前のケーキを食べてしまう心理と同じ。理屈ではわかっているのに、目の前の快感を優先してしまう。
現代社会で承認欲求が強まる理由の一つは、この「今すぐ欲しい」という脳のクセにあるのです。
だからこそ、この仕組みを知ることが大切。知れば、対策が見えてきます。
承認欲求を上手にコントロールする方法
承認欲求を完全になくすことはできません。
でも、上手にコントロールすることは可能です。
ここで大切なのは、「承認欲求が悪いものだ」と否定しないことです。承認欲求は、人とつながりたい、認められたいという自然な欲求です。
問題は、その欲求が「他人軸」に偏りすぎてしまうこと。
だからこそ、少しずつ「自分軸」を取り戻していく必要があります。
自分で自分を認める〜自己承認の力
まず、自分で自分を認めるクセをつけましょう。心理学では「自己受容」とも呼ばれる力です。
たとえば、仕事で小さな成果を出したとき。誰かに褒められなくても、「今日はよく頑張ったな」と自分で自分に声をかけてみてください。
SNSに投稿して「いいね」をもらわなくても、自分の中で「これは良かった」と感じる瞬間を大切にする。
これだけで、心の安定感は確実に変わってきます。
自己受容の力が育つと、他人の評価に左右されにくくなります。マーケティングやブランディングの世界でも、自己肯定感の高い顧客は承認欲求に頼らず、ブランドに依存しすぎない傾向があることがわかっています。
つまり、自分で自分を認められる人は、心が安定しているのです。
最初は難しく感じるかもしれません。でも、毎晩寝る前に「今日の自分、よくやった」と一言つぶやくだけでいい。
小さな積み重ねが、あなたの心を少しずつ変えていきます。
SNSとの距離を見直す〜通知オフから始めよう
SNSを完全にやめる必要はありません。
でも、使い方を見直すことは大切です。
たとえば、「いいね」の数を気にしないように通知をオフにする。フォロワー数を見ないようにする。他人の投稿を見る時間を1日30分までと決める。
こうした小さな工夫が、「SNSに疲れる」という感覚を和らげてくれます。
また、SNSは「発信の場」ではなく「記録の場」として使うのもおすすめです。
誰かに見せるためではなく、自分の思い出を残すために投稿する。そうすれば、「いいね」の数に一喜一憂することも減るでしょう。
実際、こうした使い方に変えた人の多くが「SNSが楽しくなった」と話しています。
「自分のストーリー」を生きる
特に若い世代では、「他人と同じでなければならない」というプレッシャーが強まっています。
でも、人生は競争ではありません。
あなたにはあなただけのストーリーがあります。他人と比較するのではなく、昨日の自分と今日の自分を比べてみてください。
少しでも成長していれば、それは素晴らしいことです。
結果ではなく、過程を大切にする。この視点を持つと、承認欲求に振り回されることが減り、自分らしく生きることができるようになります。
誰かの人生を生きるのではなく、自分の人生を生きる。
そのための第一歩は、「比較をやめること」なのです。

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承認欲求と上手に付き合い、自分らしく生きるために
現代社会で承認欲求が強まるのは、あなたが弱いからではありません。SNSという新しいツールが登場し、私たちの脳や心が「他人の評価を気にしやすい環境」に置かれているからです。
でも、だからこそ今、あなたが一歩踏み出すことが大切なのです。
今日から、SNSの通知をオフにしてみてください。そして、寝る前に「今日の自分、よく頑張った」と一言、自分に声をかけてみてください。
小さな一歩が、あなたの心を少しずつ軽くしてくれます。
自分を大切にする。それは、誰かに認められることではなく、自分で自分を認めることから始まります。
さあ、今日から新しい一歩を踏み出しましょう。
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法廷臨床心理学博士・ニューロマーケティング(脳科学マーケティング)トレーナー
株式会社ビジネスサイエンスジャパン取締役。ビジネスサイエンストレーニングアカデミー学長。
1985年東京都文京区生まれ。神奈川県横浜市のサン・モール・インターナショナル・スクールの高校を卒業。
2006年米国オレゴン州ルイス&クラーク大学にて心理学専攻及び中国語を副専攻で大学卒業。
2008年米国フロリダ州アルビズ大学大学院にて心理学修士課程修了。
2013年同大学院臨床心理学博士号、法廷特化で卒業(博士論文Doctoral Project:Endo, T. K. (2012) Test Construction: Clinician’s Gay Male Competence Inventory. (Doctoral dissertation, Carlos Albizu University)。後、オレゴン州にて臨床心理学者の国家治療免状を獲得。マイアミ市警、FBI、CIAの調査支援を行った実績を持つ。
2017年には薬物依存人口を減らした功績を称えられ、2017年フロリダ州ジュピター市より表彰される(2017 Best of Jupiter Awards - Drug Abuse & Addiction Center)。現在は実践的ビジネスサイエンス、実践的心理学、脳科学的教育、ニューロマーケティングの普及、後進の育成に努める。著書に『売れるまでの時間-残り39秒 脳が断れない「無敵のセールスシステム」』(きずな出版)、共著に『仕事の教科書』(徳間書店)がある。